糖尿病について

「糖尿病をコントロールするのはあなた自身」

糖尿病とは?

糖尿病とはインスリン(血糖値を下げるホルモン)の作用不足や分泌低下の為ブドウ糖が有効に使われず血糖値が普通より高くなっている状態です。


糖尿病はなぜこわいの?

糖尿病が長く続くとさまざまな血管障害の合併症が起こる可能性が高まります。 特徴的な3大合併症は網膜症、腎症、神経障害ですが動脈硬化も促進されてしまう為、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症、足病変などが起こりやすくなります。 糖尿病がこわいのは高血糖でこれらの合併症がある程度進んでいても自覚症状(口渇 多飲、多尿、体重減少)に乏しい為、気付かないまま糖尿病が進行している場合が多いことです。


糖尿病の診断基準

同日に、下記の(1)と(2)をあるいは日を変え(1)を2回確認された場合に糖尿病と診断されます。

  • (1)空腹時血糖値126mg/dl以上
    ●経口ブドウ糖負荷試験(75gのブドウ糖を飲み2時間後の血糖値)が200mg/dl以上
    ●随時血糖200mg/dl以上
    のいずれか
  • (2)ヘモグロビンA1c6.1%以上

食事療法(Aさんの場合)

年齢:52才 会社員 身長:164cm 体重:72kg(標準体重59Kg)
食事療法BMI26.8 検査データ:空腹時血糖値137mg/dl HbA1c7.0%
総コレステロール137mg/dl 中性脂肪131mg/dl
食事療法

会社の二次検診で受診し糖尿病と診断されました。アルコールは飲まず「天ぷらとお菓子」が大好きなAさんは1,700Kcalの食事療法で治療を開始しました。
食事療法食事療法を開始したAさんですが食事は妻に任せきり。天ぷらを減らし野菜を増やした1,700Kcalの食事に「最近、我が家の食事は質素だよな」と文句を言いながらお菓子を食べ始めるAさん。妻が注意をしてもお菓子をなかなか止めないAさんに妻はイライラしてしまう日々でした。
食事療法ところがある日の受診後「お菓子は止めた。先生が一生懸命診てくれるので頑張ってみる」と宣言したのです。角田から仙台市内へ電車とバスを乗りついで通勤しているAさんは、会社へ向かうバスをひとつ前の停留所で降り、ひと駅分の距離を歩く運動療法も開始しました。
生活に活気が出て、食事に文句を言う回数もお菓子を摂る量も減ってきました。5年たった今は体重は8Kg減り64Kgとなり(BMI23.9)内服薬も併用しながら、血糖値も改善しています。

空腹時血糖値98mg/dl  HbA1c5.8%  中性脂肪-131mg/dl

糖尿病と診断されてから食事療法、運動療法、経口薬療法を行い肥満自己管理が出来るようになったAさん。会社の検診でも「57歳でこの検査結果はAクラスだね」と検診の先生に誉められたと自慢しています。


管理栄養士から

管理栄養士から管理栄養士として多くの患者様の食事相談を担当しています。糖尿病の療養指導は、患者様が糖尿病を受け入れ、行動変容をし、目標を設定した自己管理が出来るように支援しております。そして、その結果血糖や体重などの改善を通して目標達成度を評価し、患者様にポジティブにフィードバックする様に心がけています。
糖尿病は、慢性疾患のため治療を中断することなく一生お付き合いをしていく病気です。
治療開始時、行動変容ができなかったAさんは医師の患者様を思う気持ちに気付くことで、糖尿病の治療に真剣に取り組むようになり、目標の血糖値が継続できるようになりました。
生活環境や仕事の為なかなか行動変容を起こせない患者様や治療中逸脱してしまう患者様も中にはいらっしゃいます。医師をはじめ看護師、薬剤師、管理栄養士それぞれの立場で患者様の生活習慣の改善をサポートしていきます。
食事相談時「糖尿病になったら美味しいものは食べられないの? アルコールは減らしたくないし・・・。」等と、話される患者様がいらっしゃいますが、食事相談の答えは1つではありません。患者様の希望を尊重し患者様とそのご家族様と共に考え、実行できる提案をさせていただくように努めております。お気軽にご相談ください。


金上病院における糖尿病の診療体制

 当院では上記のような糖尿病の診療を毎日(月)~(土)行っております。ことに毎週火曜午前は、糖尿病専門外来を開設し、診療を行っております。糖尿病の食事指導は管理栄養士が随時行っております。詳しくは内科外来看護師にお問い合わせ下さい。